杉本 雛乃(すぎもと ひなの)

内閣府男女共同参画局「STEM Girls Ambassadors」
2018 ミス・インターナショナル 日本代表
2018 ミス・インターナショナル世界大会 TOP8 ファイナリスト
東京大学 大学院工学研究科 バイオエンジニアリング専攻
出身地:兵庫県神戸市
年 齢:22歳
趣味・特技:ミュージカル鑑賞・キックボクシング
WRS 応援サポーター
杉本 雛乃さん

INTERVIEW


2018年のミス・インターナショナル日本代表の杉本雛乃さんは、現在、東京大学の大学院生として学業に励む傍ら、 政府の「理工系女子応援大使」として、女子学生の理工系進出を応援する活動をしています。
そんな杉本さんが今回、2020年に福島、愛知の両県で開かれるロボットの 国際大会World Robot Summit(以下WRS)の応援サポーターとして大会の見どころや狙いなどをロボット研究者のみなさんなどに聞いていきます。

今回はその前に、杉本さんの人物像に迫りたいと思います。

学部時代は超伝導の研究をしていたそうですね。

超伝導の性質を持つ物質を新しく作る研究をしていました。小さいころから物理が好きで、物理工学科に進みました。
4月に大学院に進学したのですが、今はバイオエンジニアリング 専攻で、バイオセンサーの研究をしています。
学部時代は物理の勉強ばかりでしたが、今はバイオも化学も、物理もやってます。
いろんな分野に触れることで新たな発見も多く楽しいと同時に、やっぱり私は物理が好きなんだと、大学院に進んでから余計に思いました。

1日のスケジュールはどんな感じですか。

研究室のコアタイム10-17時は、研究室にいます。論文を読んだり実験をしたり。
ずっと同じ場所、同じ人に会っているので、一見地味な生活に見えるかもしれません。ただ、「明日ご飯に行くから今日は頑張ってここまでやる」という調子で時間の融通は利くので、実際には人それぞれいろんな生活を送っていると思います。

大学生活とミス・インターナショナルの活動の両立は大変でしたか?

もちろん大変だったんですが、どこかに出かけているときは、外でもできることをして、活動のないときは研究室でひたすら実験をしていました。そういう調整はやりやすかったです。

ミス・インターナショナルでの華やかな活動と大学生活は、ある意味両極端ですよね。

会う人は両方ともそれぞれ魅力的ですが、魅力のある部分が違うと思います。ミス・インターナショナルの人たちは、人を引きつける力がすごくて、見て会った瞬間に圧倒される魅力です。 逆に私の身近にいる人たちの魅力は、しゃべればしゃべるほど出てくる感じで、そういうところが素敵です。どちらの魅力も見させてもらった分、どちらもたくさん吸収したいなと思っています。

現在、大学院の修士課程ですが、将来はどういった道に進みたいですか。

ミス・インターナショナルの活動をしていたときは、「研究者になりたい」と言い過ぎてしまっていたというか、自分を洗脳していました(笑)。 それが悩みだったこともあるのですが、今は少し落ち着き、より研究に向き合えるようになったこともあり、しみじみとこの道を進みたいと思うようになりました。 博士課程に行き、その後は研究者の道を、目指せるところまで目指したいです。

杉本さんは、政府の「理工系女子応援大使」をされていますが、理系の魅力をどう伝えようと工夫されていますか。

理系の魅力って、新しいことを発見したときに「やっと発見できた!」とか、「こんなことあるんだ!」というところにあると私は思うんです。 ただ、中高生の人たちに話していて感じたのは、「魅力は押しつけるものではない」ということですね。 たとえ何かを発見しても、「え、それで?」という反応の子もいれば、「あ、面白い!」と思う子もいる。 面白いと思った子が「このまま理系にいっても、将来どうなるのか心配」と思っているのが問題じゃないかと思うんです。 人それぞれに魅力と感じたことを、その気持ちを忘れずに進められたら。自分の心にしたがうことは大切なんだと伝えたいです。

ところで、ロボットは好きですか?

実は、小さいころ、ロボットが大嫌いでした(笑)。ロボットのイメージは機械的な音声を発していて、なんかガチャガチャ動いているけど、それならぬいぐるみの方がかわいい(笑)。 でも大学に入ると、いろんなロボットが身近になって。学科には手術用のロボットを作る先生もいて、講義を聴いて深く知ると面白い。 東大には「RoboTech」という有名なロボットサークルがあるんですが、講義を聴いている隣の建物で動かしているのをよく見ていました。 「あ、今日は調子がいいな」「あ、ぶつかっている」とか(笑)。

WRSを通じ、ロボットが将来はどんどん身近になると思いますが、どんなロボットがあったらいいと思いますか。

ずっと実家暮らしなので、家事は両親に頼ってしまっていて、同級生の1人暮らしの男子の方が家事力高いです(笑)。 もっと家事をやってくれるロボットがあればなと。 あと、実はこの間、交通事故にあってしまって、足を怪我したんです。 信号のない横断歩道だったんですが、左右確認をして渡ろうと思ったら右から来てぶつかってしまって。 人の力で防ぐのは限界があるなと、そのときにすごく思って。 最近の自動車事故のニュースを見ていても、人が防ぎきれない部分もある。
例えば自動運転でも、人が動くより早く察知する部分がもっと増えれば、事故を防ぐこともできるのではないかと思います。

2020年のWRSに向けて、これからいろいろな方々にインタビューしていただくことになりますが、どういったことを聞いてみたいですか。

私が自分の大学で先生たちとお話をしていると、ご自身の専門分野を聞かれたときがとにかく嬉しそうなんですよね。 そこが魅力的だと思います。1聞けば100返ってくるような、「よくぞ聞いてくれたね!」と少年のようになります(笑)。 たくさんインタビューをする中で、そういう魅力も伝えられればと思います。

専門的なお話も多くなると思いますが、一般の人に分かりやすく伝えるにはどういったことが必要でしょうか。

私の学部時代の専門は超伝導で、超伝導の性質がある物質を探すことだったんですが、一般の人や中高生に「超伝導って何なの?」 「何の役に立つの?」と何十回も聞かれて。最初は先生や試験に答えるような模範的な回答をしていたんですが、これは実際面白くない。 結局、興味を持ってもらえるのは、まず応用されたら自分たちの生活にどう返ってくるのかなんです。もしくは、その現象自体に誰でも分かるような面白さがあるとか。 この二つは両極端ですが、これがないと面白さは伝わらない。研究って、やっぱり自分の興味から生まれると思うんです。その興味は研究においてすごく大事なんですが、それはどんな意味があるのか、どうなっていくのか、伝えることも同じようにとても大事。両方を意識してやっていきたいです。

例えば超伝導の面白さはどこにありますか?

抵抗がゼロってすごくないですか!ゼロってすごいと思うんです。ゼロに近づけて低くしていくことと、ゼロにすることってすごく違う。 (抵抗による電力ロスがなくなる)超伝導ケーブルの話をするとみなさん驚く。そういう部分は分かりやすいですよね。

最後に、WRSのインタビューを始めるにあたっての意気込みをお願いします。

お話(応援サポーターの)をいただいたとき、WRS2018冊子の中の佐藤知正実行委員長(東大名誉教授)のあいさつを読ませていただいて、その中でロボットの技術が発展していく中で、 技術を見せ合って融合していくことが大切というようなことを書かれていて、本当にそうだなと思いました。 研究者って普段研究室にいるので、周りを見ずに突っ走ってしまうこともあると思うんです。 でも、こういったイベントがあれば、研究者同士もあんなことやってるんだと分かるし、あんな技術があるんだと知ることができる。 1度に同じ場所でいろんなものを見れるのはすごく意義がある。研究者と一般の人をつなぐお手伝いができたらと思います。 私は大学院生なので、まだ知識がなかったころのことも覚えているし、研究者の事も分かるという意味では、つなぐという役割は私にぴったりなんじゃないかと思っています。 そこは頑張っていきたいです。

— 今日はありがとうございました。

ありがとうございました!